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気が向いた時にしか書けない(描けない)小説やらマンガの進行状況がわかるよ!

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東方異聞奇譚 閑話:松太郎、戦場にて
 松太郎は一人、戦場にいた。

 敵側の攻撃はたいしたことはない。ただ、パンパンと撃ってくるだけだ。
 年若い少尉は初めての戦に緊張しているのだろう。
 松太郎はほっと息をついた。これしきの攻撃なら耐えられる。

 ドアをとんとんと叩く音が聞こえた。

「入ってまーす」

 松太郎はこたえた。

「おしっこ」

 小さな余四郎が戦地に迷い込んだようだ。

「余四郎、今、お兄ちゃんは大変なんだ。少し待ってくれ」
「うん」


 早く、俺は戦場から帰還し、可愛い余四郎と遊ぼう。何をして遊んであげよう。かくれんぼうか、鬼ごっこか。
 本格的な鬼ごっこをして、余四郎を怖がらせるのもいいか。節分時に使う鬼グッズなら物置にしまっているはず。

 だが、この戦いは簡単に決着がつきそうにない。膠着状態に業を煮やした少尉は、どうやら援軍を呼んだようだ。
 先ほどとは比べようにない激しい攻撃に、松太郎は思わずうなった。

 少尉は、少佐クラスをよんだのか。

 これは、キツイ。

 余四郎は先程よりも激しくドアを叩いた。

「早く出て~。もれちゃう」

 危険だというのに、余四郎は激しい攻防が繰り広げられている戦地へと足を踏み入れた。
 早く助けてやらねばいけない。
 余四郎を助ける為には、俺はきゅっと堪えなければいけない。
 俺は耐えられるか? 余四郎は小さいから、出る量もさほど多くはない。時間にしたら、十数秒だろう。
 わずかな時間俺は少し我慢すればいい。そうしようと思った矢先に、更に援軍が駆けつけた。
 どれだけ呼ぶんだ、少尉!

「ぬぉぉぉぉぉーーーー!!」

 しかも大砲10台同時にぶちはなすこの戦力。
 大佐、いや、将軍が光臨した!
 一方的な攻撃に松太郎は悲鳴を上げる。
 余四郎と代わる余裕などもうない。

 すまん。余四郎。お兄ちゃんは自分のことで精一杯だ。
 余四郎、厠は別にある。そこへ行くんだ。

 と伝えようとする前に、あっと小さな声が漏れた。その後、うわーーんと大きな泣き声が響く。
 どうやら、余四郎は二等兵が闇雲に撃ち放った弾に当たってしまったようだ。

 許せ。余四郎。お前はまだ小さい。おしっこもらしてもまだ許される。
 俺が漏らしたとなると、非常にまずいんだ。しかも、大だし、臭いし、汚いし。


 余四郎の泣き声を聞きつけた女中たちがパタパタと足音を立ててやってくる。

「まぁまぁ、余四郎様、大丈夫ですよ。そんなに泣かないで下さい」

 女中は優しく慰める。一人は余四郎を連れていったが、残る一人がドアを破らんばかりに叩いた。

「誰ですか! 厠にいるのは」

 非常にまずい状況だ。黙っていたら、ドアを無理矢理開けられ、戦場で悲惨な状態にいる自分を見られることになる。松太郎は返事をした。

「……俺」
「松太郎様、どうして余四郎様に代わって……」

 ドアの向こうから悲惨な音を聞いた女中ははぁと大きな溜息をついた。

「あれだけアイスクリームを食べたら、おなか壊すとわからなかったのですか」
「……面目ない」

 女中は腹を下した松太郎に労わりの言葉もかけず、すたすたと立ち去っていった。

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小話がたまってきたら、サイトにアップする予定です(・∀・)
フルーツペンチ侍は、最近寒いので少佐クラスと戦ってます(´∀`*)

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